naruの日記

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【ネタバレ】エヴァシリーズ初見の男による「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の感想

はじめに

私はエヴァを見たことがない。アニメはもちろん映画も一本も見たことがない。

漫画を手に取ったことはあるのだが、それも10年ほど前の話で記憶はみじんも残っていない。

一応、断片的な知識は知っている。

まずシンジくんがいて、シンジくんはエヴァに乗る。シンジくんは逃げちゃダメらしい。

ヒロインにアスカとレイがいて恐らくシンジくんを取り合っている。ミサトさんはシンジくんの名前を連呼し、シンジくんのお父さんは真面目な顔して指を組んでいる。

まあこんなところだ。


今までのシリーズは全く追えてないとはいえ、僕はミーハーの極みであるので話題になっている今作を見逃すという選択肢はなかった。

ちょうど友人に誘われたので2人で観にいくこととした。

ちなみに友人はアニメシリーズを途中まで見ているが映画は一本も見ていないらしい。やる気のない2人である

(以下映画のネタバレを含みます。逆に言うと以下を読むことで映画を観た気分になれるかもよ!)

映画のなかで印象に残った点

1. 映画の最初に過去作の復習がついていた

これはありがたかった。特にこの映画からエヴァに入る僕にとってはエヴァを大まかに知るために非常に役に立った。

実際なんとかインパクトとかいうワードが映画の全編を通して出てくるが、最初の説明がなければなんのことかわからず爆睡コース一直線だっただろう。

このように知識面でも役に立ったのだが、それ以上に僕はこのシーンを最初に入れた制作陣の心意気に胸を打たれた。

このシーンを入れるというのは、すなわち僕のようなエヴァ初見の人がくることも想定しているということである。「エヴァとかあんまわかんないけど、なんか流行ってるから見ちゃお!」という薄汚れたミーハー共もちゃんと映画についてこれるようにしてあげようとする庵野の心意気を感じた。

庵野が僕のことを見てくれていたのだ。ありがとう、庵野。いつまでも、庵野


2. シンジ、アスカ、レイが思ってたのと違う

僕の事前のイメージとしては、シンジくんが困難に立ち向かう優しい少年、アスカがツンデレヒロインでレイがクール系ヒロイン、というものだったが映画が始まってすぐ「あれ、違くね?」と気付いた。

まずシンジくんがめちゃくちゃ態度が悪かった。話しかけられても無視するし出されたご飯も食べない。なんか嫌なことがあったらしいが、アスカの言うとおりそれでずっと拗ねているのはガキだ。
序盤はイライラして、危うく映画館を飛び出しカラーにクレーム電話を入れるところであった。

そうかと思えば、後半は急に元気になって「エヴァに乗らしてくれよ〜」みたいなことも言うようになる。僕は中盤軽くウトウトしてたのでよくわからないが、何か気持ちが変わる出来事でもあったのかな。
それにしてもいきなり聖人君主、無敵少年、新生キリストみたいになるのは怖かった。

アスカも思ってたのとは違った。僕は「あんたバカ...//?」みたいな言い方を想像していたのだが、実際は本当にバカにしている感じで「あんたバカ?けっ!」と言っていた(けっ!に関しては脚色です)。
あんなことを言われたらシンジくんがひねくれるのも無理はない。

シンジくん、アスカによるラブコメを期待していたのだがどうやらもう恋愛要素みたいなものはエヴァにはないみたいだ。
途中アスカがシンジくんに「昔は好きだった」みたいなことを言ったときに、「おいおい今も好きであれ〜」と僕の中の三四郎小宮が騒いでいたがその願いも叶わなかった。

レイに至っては、よくわからない。よくわからないが、多分もう死んでる。まず最初に出てきたのはレイじゃなくレイのクローンのようなものであった。しかもそいつは序盤に溶けて死んでしまう。このシーンはドン引きしちゃった。

オリジナルのレイは最後らへんに出てくるが、これも生きているのか死んでいるのか、はたまた記憶の中の姿みたいなものなのか、よく理解していない。ただ、髪が伸びたレイは可愛かったのでそれを収穫としよう。


3.中盤で紅白歌合戦みたいなシーンがあった

中盤以降、映画の舞台は亜空間みたいなところに移る。

これがホントに理解できなくて、宇宙でもないし地上でもないし現代美術のようであった。さらに言うと、この場所に移って以降「誰が」「どこで」「何をしているか」がほぼわからなくなってしまった。

特にわからなかったのは、途中でレイの超巨大な顔が登場したところだ。なぜかレイの超巨大な顔が現れ、その周りには大量のマネキンみたいなのが浮遊しているというシーンであった。

僕はこのシーンを見て首をひねりながら、なぜか既視感を感じていた。家に帰って風呂に入りながら映画のことを考えているうちに、ふとその原因に気がついた。
そう、紅白歌合戦美川憲一春日俊彰のコラボステージである

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第60回紅白歌合戦より美川憲一とオードリー春日のコラボステージ

やはり画面中央に大きな顔が現れると、無意識にこの紅白ステージを思い出してしまうようだ。レイも映画が終わった後、「スベッたな...」と反省したのだろうか。


4.君ら誰やぁ!!

まず君ぃ!白髪の君!誰や!

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渚カオル (drawn by 僕)

一応映画を見る前に存在だけは知っていたのだが何をした人なのか全くわからない。映画の終盤あたりで重要人物面して出てきた(まあ実際重要人物なんだろうけども)ときには困惑した。

彼の話すことも、過去に張った伏線か、今後への伏線のような話ばかりで意味がわからない。彼が映画で話してる間は暇だったんで非常口の場所を確認してました。

次ぃ!メガネの君!

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名前は忘れちゃったが、マキみたいな名前だった

庵野と彼女の名誉のために言うと、映画ではもっと可愛かったです。

彼女もカオルくん同様に存在だけは知っていたのだが、映画を見て驚いた。全編通して活躍しっぱなしではないか。

映画のラストシーンでもシンジくんの隣にいるのはこの子であった。それは完全にヒロインの立ち位置である。

いや別にいいんだけどさ!なんだか近所の小さい頃から知ってた子がいつの間にか大学生になってチャラついた彼女を連れて地元に戻ってきたときのような気持ちである。エヴァ素人の僕からすると、くっつくならアスカかレイでしょうよ、という気持ちになりました。

おわりに

以上が「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観た感想である。

新規視聴者に優しい映画とは言い難いが、戦闘シーンは流石にイケイケだったし3時間弱の映画を観終わったときなんとも言えない達成感が残る映画であった。面白かった気がする

最後に一番印象に残った点を挙げるとすると、エンドロールの宇多田ヒカル「Beautiful World」がめちゃくちゃ良かったです。

一生ついていくぜ、宇多田!!!!ガシッ!!!(宇多田ヒカルと固い握手を交わす音)